文庫版どんかつの夢

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息子が国語の宿題か何かで与えられた課題で、何かの本を読もうとしている。読み進めていくときに、意味のわからない言葉が出てきたらどうしようかと、息子は少し不安になっている様子だった。こういうときのために買っておいた、黄色いケースに入った小学生向けの国語辞典をテーブルに置く。わからない言葉がでてきたらこれで調べてみればいいから、と息子に言う。調べてもよくわからないときは、とりあえず謎のまま読み進めてみるのも大事だ。

息子が本を読み進めている間、テーブルに置いた辞典をパラパラとめくってみる。どうも中身が辞典らしくない。というか、どう見ても中身は辞典ではない。

改めて表紙を見返してみると、自分がパラパラとめくっていた本は「どんかつ」という呼称で親しまれているベストセラーのエッセイ集だった。ここにあるのは後に文庫版として出たバージョンだが、文庫というにはちょっと無理のある大きさの、通常の文庫本を横にして2個くらい連結した横長の特殊な製本になっている。

この特殊な形状のメリットは、見開きにして手を離しても本が開いたままになることだ。多くの人に親しまれたのは軽妙な文章はもちろん、こういった物理的な要因もあるだろうな、と思った。


起床。

いかにも昔に読んだ「どんかつ」を懐かしむ気持ちが湧いたが、そんな本はなかったと思う。なんとなくニュアンスとして似ているのは「ダットサン」という通称で親しまれたと言われている民法の本だろうか。そのまま開いておける横長の本としては、Charlie Danceyの Encyclopaedia of Ball Juggling を想起した。