繊維をつくる女性の夢
love-neniye
広い室内で仰向けになって寝転がっている。天井は高く、トタン屋根であることから、どこかの工場のような雰囲気を感じた。
目の前には雪のような白い繊維を生み出す能力を持つ女性がいる。どこから繊維を出しているのかよくわからないが、おそらくは口から蜘蛛のように出ているのだろう。繊維が集まっていけば、一本の糸として目に見えるようになってくる。糸状の繊維を並べてシート状になったものは、軽くて薄い不織布のようだ。
彼女はこの繊維を使って人の顔を描きたいという。繊維自体の太さの調整と、繊維の並べ方の粗密で濃淡を出せばできるようだ。ただ女性一人だとその作業は難しいらしく、もう一人の女性と一緒に自分もお手伝いに加わることになった。
手伝いと言ってもやることは難しくなく、糸を出す女性にできるかぎり密着するということだけだ。傍から見ると3人の男女が抱き合っているようにしか見えないと思う。そして肌と肌の密着時間が長くなってくると、親密さも増してくるように感じる。
ふと、繊維を吐き出していないほうの女性が、高校のクラスメイトのKさんだということに気付く。小さな手帳が床に置いてあり、彼女が書いたという昔の日記だという。読んでみてとは言われていないが、読まないでとも言われていないので、手帳を開いてみる。
そこにはKさんが当時付き合っていた彼氏とやりとりした体の部位について生々しく書かれていた。Kさんがそういうことに強く興味を持っていたのがちょっと意外だった、と同時に納得できるような気もした。
気まずい雰囲気を感じているのは自分だけで、もしかするとKさんはこの手帳を誰かに見せたかったのかもしれない、などと思う。
起床。
蜘蛛女という妖怪やモンスターがいたりするが、繊維を生み出す女性もその類いだったのだろうか。
鶴の恩返しとか繊維関係のものに関わりのある女性が昔話に出てきたりするのは、歴史的な女性の職能という理由意外にも何か共通するものがあったりするのかもしれない、などと思ったりもした。ここにKさんも一緒にいたというのが絶妙な気がする。