「中の人」になっている夢
love-neniye
昔、青年の家と呼ばれている施設に子供会でお泊まりイベントをやったことがある。今回もその類いのイベントが開催され、自分は大人の引率者の1人として参加している。
イベント開催にあたり、自分には重大な役が任されていた。それはケンタッキーフライドチキンのマスコットともいえるカーネルサンダースに扮するという役だ。毎回持ち回りで大人1人がやることになっていて、狭い範囲ではあるが伝統的なイベントといってもよい。ついに自分にもこの役が回ってきたか、という思いがあった。異国の男性に扮装する恥ずかしさも正直あって、あまり気乗りはしていない。
気乗りしない理由はそれだけではなく、イベントの事前に「下半身を酢に浸す」という行為をやっておかなければならないから、ということもあった。小学校のとき、プールに入る前に塩素の入った消毒層を通過していたことを思い出す。カーネルおじさんの白いスーツを着てから、酢が入った四角い容器に腰までしゃがみ込んで、しばらくの間漬かる。
酢は風呂のように暖まってはいなかったので体は冷えるが、一番懸念していた酢の匂いに関しては、鼻につんとくるような強い刺激はなかった。酢の濃度は薄くなっていたようだ。これでとりあえず下半身の準備は整ったことになる。
カーネルおじさんの頭部分はゴムマスクを被ることになっている。カーネルおじさんの巨体を実現すべく、頭部分はかなり大きめに作られていて、ゴムマスクの目の部分には穴が空いていない。代わりにゴムマスクの首部分に二つの穴が空いていて、そこから外界を覗くようになっているらしい。
酢に漬かりながらマスクを被っていると、部屋の照明がいったん消えて、スポットライトのようなタイプの照明に切り替わった。スケートボードをやっているような大きめなサイズのファッションに身を包んだ若者が続々とやってきて、低音の効いたダンスミュージックが流れ始める。若者たちはダンスとジャグリングを融合したようなパフォーマンスをし始め、自分も彼らの間を縫うようにカーネルサンダースとして練り歩く。
ある程度練り歩いたら満足したので、次第に遠ざかるようにして、歩きながらパフォーマンス会場を後にする。
廊下ではひとりでバドミントンをしている人がいた。ふつうのバドミントンとは違い、ラケットが3倍くらい長いものだ。その長さと関連しているのか、羽の動きがとても早く、目で追うのが難しい。
自分も廊下に置かれていた同じタイプのラケットを拾い、見様見まねで羽を叩いてみる。羽は速くてほとんど見えないが、重要なのは飛ぶ位置の予測とラケットの使い方だということがわかってくる。ラケットを「面」として考えるのではなく、ラクロスのアレみたいに「カゴ」としてイメージするのが大事だと実感した。
ふとこの施設の外に出てみたいという思いが強くなり、窓から中庭に向かい、フェンスを越えて外に出た。自動通報システムがあるのか、すぐさまサイレンが聞こえてきて数台のパトカーに包囲された。
起床。