塀に囲まれた道の夢

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両側にブロック塀がある細い道を歩いている。ブロック塀は2メートルくらいあり、周りの景色は見えない。大人1人だけが通れるような狭い道で、少し後ろには面識のない男性の老人が歩いてきている。後ろから近付いてくる老人のプレッシャーもあり、あえてこの道を引き返すのがおっくうな気分が生じてきている。

道を進んでいくにつれ道幅はさらに狭くなっていく。左右にあるブロック塀の一部には穴がある箇所もあり、そこから覗いて見えた景色でわかったことは、進行方向の右手側は道路になっていて、左側は民家が建ち並んでいるらしいということだった。普通に歩くと両腕が塀に擦れてしまうくらいの道幅になってきたので、右側を向き体を横にして蟹のように歩く。さらに進んでいくと横向きでもギリギリの幅くらいになり、行き止まりに突き当たったと思ったら、背後に——つまり進行方向の左側には道があり、民家の玄関が見えた。

民家の玄関から出てきた老婆に、この先にはもう進めないのですか、と尋ねてみた。どうやら昔はブロック塀はなかったらしいのだけど、安全のためということで数年前からこの高い塀ができてしまったそうだ。ただ、他に道がないので敷地内だけれど塀を乗り越える人がいても特に文句は言わないという。

塀の縁に手が届かない高さでもないので、手をかけて上に昇ってみた。塀の先には民家だったような廃屋があった。庭には、拳銃の訓練で使われるような蛇の目模様みたいな的があり、拳銃の弾で空いたと思われる穴がいくつもある。いったいどういう人が住んでいたのだろうと想像してみるが、もしかしたら誰かが廃屋を使って秘密裏に拳銃を扱う訓練をしていたのかもしれない。

廃屋内に黒い拳銃と思われるものが落ちているのが見えた。拾ってみようという気持ちはなかったが、どうしていいものか考えていたところ、黒いランドセルを背負った子供がこちらに歩いてくるのに気付いた。状況的にいろいろと怪し過ぎるけれど、なるべく自然体でいたい、と願う。


起床。後ろにいた老人は、たぶん塀には昇らず老婆のところで留まっているんだと思う。