レールの夢
love-neniye
広めの部屋——小学校の体育館くらいの広さの部屋——の壁に、レールが取り付けられている。トロッコなどで物を運ぶためのレールのように思われたが、レールは一本なのでモノレール方式とでもいうのだろうか。
そのレールの上に、何か小さな生き物が2匹動いている。まるで追いかけっこをしているような、そんな感じがした。
その「次」は、脱走してきた——あるいは亡命と呼ぶのがふさわしいかもしれない——異国の若い王子がレールに沿って走ってきた。おそらく赤道の近くのどこかの国で、年齢はまだ小学生くらいに見える。治安があまりよくない国もたくさんあるんだろうな、とぼんやりと思う。
その「次」にレールにやってきたのは、かつてルームメイトだったF君だ。レールの上を四つん這いになって近付いてくる。このタイミングで、すでに自分もレールの上に彼と同じような姿勢で乗っている。鬼ごっこを楽しむようにレールの上を移動し、やがて追いつかれ、体が重なり合いそうになる。
起床。
ツイスターという、手と足を指定された場所に置いていくみたいなゲームがあることを思い出した。やったことはないけど、不可抗力で体がくっつきそうになるのは、あの感覚に近いかもしれない。
データ処理をするアルゴリズムの分類のひとつに、「ストリームアルゴリズム」というタイプのものがある。処理すべきデータが一度にすべて与えられるわけではなく、ひとつひとつ流れてくる(ストリーム)という状況のもとで、求めたい何かを逐次計算していく、といった感じのやつ。自分が考えていたのはそんなに難しいものではなく、平均とか分散とかの基本的な統計量なんだけど、Welfordのアルゴリズムと呼ばれているものがあるということを知った。要は漸化式なんだけど、無限のデータを相手にするときに、何らかの「異常値」を検出するのにも使えそうだな、と思った。何を「異常値」とするかが問題なんだけど、たとえば「ある統計量がこの範囲に入っていなければならない」という事実があればいい、はず。