まな板の本の夢

love-neniye


屋根のない電車に乗り、駅のホームに降りると、すでに亡くなっている祖母が立っていた。軽くあいさつをして、展示会場に向かう。展示会場には高校一年のときのクラスメイトのN君がつくった、卒業制作が展示されているからだ。N君自身もその近くにいて、必要とあらば質問に答えてくれたり、解説などをしてくれるスタイルのようだ。彼の卒業制作はA3用紙サイズくらいの大型本で、中には濁った水彩絵の具で描いたような模様が描かれている。全体的な傾向としては暗い青を中心としたトーンでまとめられている。同じテイストの絵が一貫して続いているので、いままでに描いた色々なものをまとめたというものではなく、この本自体のコンセプトが何かありそうな感じがする。ページをめくっていて気付いたのは、使われている用紙が、紙というよりは薄い木の板のようだったということ。ミスター味っ子で海苔のかわりにかつお節をシート状にしたものが使われたことがあるが、それを思い起こさせるような質感だ。彼に確認してみると、まな板を薄くスライスしたものだという。長年使って愛用してきたまな板を製本したということらしい。ということは、自分が絵だとは思っていたのは、まな板自身の「しみ」だったのかもしれない。まな板の上にのった、数々の青魚が思い浮かぶ。そういえば自分はどんな卒業制作をしたのかと思い起こしてみるが、「筆記試験」と「口頭試問」というキーワードだけが浮かんでくる。


起床。この夢に出てきたN君とはあまりつるんでいたことがなく、かなりレアな感じがする。ただ、思い返してみると、1回だけ音楽の授業で彼と一緒にペアを組み、リコーダーの二重奏をしたことがある。